九州初のローレル賞、西鉄「2000形」37年に幕
(2010/10/18 MSN産経ニュース)
西日本鉄道の天神大牟田線で昭和48年以来、特急や急行として活躍した「2000形」が17日限りで引退し、福岡市中央区の西鉄福岡(天神)駅には同日午前、多くの鉄道ファンがホームからラストランを見送り、思い出の黄色い車体に別れを告げた。
2000形は、天神大牟田線の輸送力増強を目的に、当初は特急電車として導入。西鉄車両として初めて冷房を完備し、進行方向に応じて背もたれの向きを変えることができる「転換クロスシート」など乗客の快適性を高めた。
49年には、最も優れた新造車両に贈られる「ローレル賞」を九州の鉄道車両として初めて受賞した。最盛期には6編成(1編成6両)が通勤・通学の足として走っていたが、老朽化にともない次々と引退。この日のフィナーレを迎えた。
午前10時33分。西鉄福岡駅2番ホームに2000形が滑り込むと、集まった約150人の鉄道ファンらが、カメラのシャッターを切った。「ありがとう2000形」「さよなら2000形」のヘッドマークが車両の前後に取り付けられ、事前申し込みによる貸切ツアーの参加者約300人が車両に乗り込んだ。
テープカットに続いて同10時49分、車両がゆっくり動き出すと、大きな拍手が送られた。福岡市東区の会社員、長野太陽さん(47)は「子供のころ、通学でよく利用しました。まさに青春の思い出」と感慨深そうに語った。
車両は花畑(福岡県久留米市)で折り返し、筑紫(同県筑紫野市)に到着。その後、西鉄筑紫車両基地で開かれた「にしてつ電車まつり」の会場で公開された。
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