首都圏に鉄道「新線」続々 空白地帯に“足”駅周辺も整備で活気
(2008年1月18日 産経新聞)
首都圏では今年、鉄道の新線や新駅が相次いで開業し、鉄道ネットワークの整備が一気に進みそうだ。東京では3月に下町の足立区を走る「日暮里・舎人ライナー」がお目見え。6月には東京メトロの「副都心線」が続く。新線の開通に先立ち、駅周辺では大型百貨店が全面改装に取りかかるなど、街も様変わりし始めている。
鉄道の「空白地帯」だった足立区西部の住民にとって、日暮里・舎人ライナーの開業は20年来の悲願だった。
近藤やよい区長は「開通をきっかけに街の魅力に磨きをかけたい」と歓迎する。
荒川区の日暮里から足立区の見沼代親水公園まで、高さ10メートル以上の高架を走る。バスで40分はかかっていた両地点を、半分の時間で結ぶ。
同ライナーの舎人駅近くに住む不動産業、小金井寛さん(64)は「『陸の孤島』で都心に出るのに1時間半かかることもあった。30、40分に短縮されるのは大歓迎」と笑顔を見せる。
「ゆりかもめ」と同じ新交通システムを採用。コンクリート製の軌道上を騒音や振動を抑えるゴムタイヤの車輪で走る。
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「東京エリアでは最後の地下鉄」といわれる副都心線は、明治通りの下を通り、道路の渋滞緩和もねらう。
開通で、東武東上線や西武有楽町線・西武池袋線との相互乗り入れが行われ、埼玉方面から池袋で乗り換えずに渋谷まで行ける。副都心線の渋谷駅に4年後、東急東横線が乗り入れると、都心を縦断して埼玉と神奈川を結ぶ大動脈ができる。
池袋の地下鉄駅構内には、現在は東京メトロの表参道にしかない駅地下の商業施設「Echica(エチカ)」が来年度中にオープン予定。東武百貨店池袋店でも駅の出口につながる地下フロアの全面改装などに乗り出しており、「街は今まで以上に元気になりそう」(東京メトロ広報部)。
副都心線の新宿三丁目駅から自由通路でつながる新宿高島屋は開通に向け、昨春に店内を全面改装した。
副都心線の渋谷駅周辺では東横線の乗り入れに先立ち、来年春には東急文化会館の跡地で高さ188メートルの複合ビル建設が始まる。ビル内には国内最大規模のミュージカル劇場もできる。
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横浜市では市営地下鉄「グリーンライン」が3月に開通。首都圏では都営大江戸線に続き、リニアモーター方式を採用した。JR横浜線の中山駅と東急東横線の日吉駅間を走り、沿線にはベッドタウンの港北ニュータウンが広がる。港北ニュータウンに住む音楽家、岩室晶子さん(47)は「センター北駅から日吉まで2回乗り換えて30分以上かかったが、約10分で行ける」と開通を心待ちにしている。
6月をめどに、東急が目黒線の終着駅を武蔵小杉から日吉に延伸すると、ニュータウンからグリーンラインに乗り、日吉経由で都心へ向かうことができる。
このほか、埼玉では3月、越谷市のJR武蔵野線に新駅「越谷レイクタウン駅」ができる。それに合わせ、駅周辺では500戸の大規模マンション建設などが進んでおり、今秋にはイオンが国内最大級の広さ(34万平方メートル)のショッピングセンターを出店する。
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posted by train news at 12:27
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