[おでかけ]サイクルトレイン エコライフ実践=愛知
(2009年1月18日 読売新聞)
自転車をそのまま車内に持ち込める電車「サイクルトレイン」が、各地で広がり始めている。買い物や所用での利用者が多いが、遠方へのレジャーにも活用でき、サイクリングの行動範囲も広がる。ガソリンを1滴も使わないエコライフを実践できる。
◆養老鉄道
サイクルトレインは、ドイツなど欧州で広く普及しているが、日本での担い手は主に中小のローカル鉄道だ。厳しい経営の中、少しでも乗客を増やそうと導入するケースが多い。
岐阜県揖斐川町から三重県桑名市まで、濃尾平野の西端を南北に走る養老鉄道(延長57・5キロ)。中心の大垣駅は、駅前広場とホームとの段差も小さく、自転車を引いた乗客が改札口をすーっと通過していた。車内で一般の乗客と自転車が隣り合うのも当たり前の光景になった。降車駅の改札口を出れば、再びサドルにまたがって目的地に直行でき、使い方次第では便利で経済的な交通手段だ。
同鉄道のサイクルトレインは1998年7月(当時は近鉄養老線)に始まり、年間3000〜4000台ほどの利用がある。買い物での利用が多いが、暖かくなるとサイクリング客が増え、春休みや夏休みは、部活に向かう生徒らも加わってにぎわう。
土日曜と祝日は混雑時を除き利用できるが、平日は昼間のみ。近鉄やJRと橋上通路で連絡する桑名駅は利用できない。乗車券や定期券があれば、自転車持ち込みは無料。問い合わせは同社総務企画課(0584・78・3400)。
◆三岐鉄道
三岐鉄道は、三重県いなべ市と同県四日市市を結ぶ三岐線(延長26・6キロ)の西藤原―大矢知間で、自転車を無料で持ち込める「サイクルパス」を実施している。1997年4月に始め、初年度の利用は1038台だったが、2007年度は3867台にまで増えた。同社運輸課の渡辺千昭さんは「知名度が上がってきたことに加え、利用時間を増やして利用しやすくなりました」と話す。
自転車持ち込みに伴う一般の乗客とのトラブルが1件もないことも自慢だ。「お客さん同士でスペースを譲り合って、うまくいっている。都市部の鉄道のような混雑のないローカル鉄道でこそ出来るサービスです」と渡辺さんは話す。
西藤原―三里間は毎日、すべての電車で利用できる。三里―大矢知間は土日曜と祝日は終日利用できるが、平日は午前9時〜午後4時のみ。問い合わせは同社(059・364・2141)。
◆中部、近畿地方のサイクルトレイン
◇伊賀鉄道(三重県)
昨年8月に始めた。新居―比土間の各駅で、土日曜と休日は終日、平日は昼間の時間帯に利用できる。持ち込みは無料。沿線には伊賀出身の俳人・松尾芭蕉の生家や蓑虫庵(みのむしあん)など史跡が数多くある。0595・21・0863。
◇松本電鉄(長野県)
上高地線(松本―新島々)で実施。ただし、自転車で乗降できるのは西松本、波田、新島々の3駅。土日曜と祝日は終日、平日はラッシュ時間帯を除いて利用できる。自転車持ち込みは無料。0263・92・2511。
◇富山地方鉄道(富山県)
本線(電鉄富山―宇奈月温泉)、立山線(電鉄富山―立山)、不二越・上滝線(電鉄富山―岩峅寺)で、土日曜と休日に利用できる。持ち込みは無料。076・432・5540。
◇近江鉄道(滋賀県)
本線(米原―貴生川)と多賀線(高宮―多賀大社前)で実施。彦根、水口石橋駅を除く。土日曜と休日は終日、平日は午前9時〜午後4時に利用できる。持ち込みは無料。0749・22・3303。
◇信楽高原鉄道(滋賀県)
信楽―紫香楽宮跡間の各駅で午前10時〜午後3時30分に利用できる。持ち込み料1台270円。3人以上の場合は予約が必要。0748・82・3391。
鉄道ブログランキングへの応援 お願いします!
posted by train news at 20:02
|
Comment(6)
|
TrackBack(7)
|
関連サービス