6月22日金曜日に起きた宇都宮線・高崎線の架線切断事故の詳細が明らかになってきました。
架線事故5時間不通 停車ミスで切断原因 「不可区域」にかかる/JR東日本
(2007年6月23日:読売新聞・地域版)
◆本来の71メートル手前
さいたま市大宮区で22日朝、JR宇都宮線・高崎線で発生した架線の切断事故は、高崎線の運転士(48)が、赤信号で止まった際、本来の位置よりも71メートル手前で停車させたため、車両後部が「エアセクション」と呼ばれる停車してはならない区間にかかり、火花で架線が溶けたのが原因であることが、JR東日本などの調べでわかった。
JR東などによると、エアセクションは、首都圏では3〜4キロごとにある架線と架線の継ぎ目部分で、約50〜100メートルにわたり2本の架線が並行して走る形になっている。この区間に電車が停車すると、2本の架線の電圧差でパンタグラフとの間に火花が断続的に発生し、架線が溶ける危険がある。このため、JR東では、同区間近くで停車する場合、「セクション外停止位置表示板」に先頭車両を合わせて停車するよう指導していた。緊急事態で停車せざるを得ない場合には、パンタグラフを下げる必要があるが、この運転士は上げたままだった。
運転士の運転歴は16年10か月で、「エアセクションは認識していたが、赤信号が変わらないことに気をとられてしまった」「停車した瞬間に電気が落ちた」などと説明しているという。
JR東では、各運転士に再発防止を徹底し、電車が誤ってエアセクション内に停車した場合でも、簡単に切れないような架線設備の開発を進めるという。
国土交通省関東運輸局は22日、JR東に文書で警告し、原因と再発防止策を報告するよう求めた。
この事故で、都心に向かう通勤、通学客ら約18万5000人に影響が出た。最終的に162本が運休、43本が最大で約5時間半遅れ、駅間に6本の電車が立ち往生した。
さいたま市消防局などによると、車内に閉じこめられるなどして体の不調を訴えた乗客は最終的に47人となり、うち29人が同市内などの病院に運ばれた。
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また、事故後の対応についても、意見が出ています。確かに、復旧までに時間がかかりすぎているのは否めません。
JR東、見通し誤り部分復旧の機逃す=対応のまずさに批判の声―架線切断事故
(2007年6月22日:時事通信)
JR東日本〈9020〉の架線切断事故で、発生から約2時間半後には一部路線で部分復旧できる状態だったことが23日、分かった。全面復旧の見通しを誤り、機を逸したという。雨で線路が滑りやすくなっていたため、立ち往生した電車から乗客を誘導するのに時間を取られたこともあるが、不通の状態は5時間以上続いており、同社の対応のまずさに批判の声が上がった。
同社によると、架線が切れて停電したのは22日午前7時55分ごろ。宇都宮線と高崎線、京浜東北線、湘南新宿ラインがストップした。
同9時12分に京浜東北線が南浦和―大船駅間で折り返し運転を開始、午後0時20分に全線で運転再開した。残りの路線は午後1時13分まで止まったままだった。
復旧が遅れた理由として、同社は線路上が雨でぬれて滑りやすく、乗客の誘導に時間がかかったと説明。立ち往生した快速電車から体調不良を訴えた乗客を搬送する際、トンネル内だったことから予想外に手間取ったという。
また、宇都宮線は停電が解消し、線路を歩いていた乗客が全員駅に到着した同10時半ごろ以降は、大宮駅で折り返し運転ができる状態だった。しかし、復旧予定が2転、3転する中、「タイミングを逸してしまった」(同社)といい、見通しの甘さが部分復旧を遅らせる結果を招いた。
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posted by train news at 07:00
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