(2008年12月16日 信濃毎日新聞)
2014年度に長野―金沢間が開業予定の北陸新幹線の新駅が設置される新潟県上越市周辺で「上越駅(仮称)」の名称変更を求める声が出ている。「上越新幹線と乗り間違う恐れがある」「知名度が低い」などが理由だが、上越市は「市名は定着している」との立場。上越新幹線を「新潟新幹線」に改称する案も出て議論が白熱している。
上越市による2月の調査では、首都圏で上越市の名前を知る人は約94%だったが、正確な場所を示せた人は約35%。
上越市の南に隣接し、首都圏からの観光客が多い妙高市。温泉街の代表者でつくる新潟女将の会妙高支部は上越市の木浦正幸市長に「妙高高田駅」を要望している。石田膺子支部長は「上越新幹線は新潟行きで、上越は通らない。お客さまも乗り間違えるのでは」と困惑気味。
新駅が置かれる上越市の旧高田地区では、地元商店街が7月に地元の声をまとめたところ、四割近くが「越後高田駅」を支持。商店街の熊田雅明理事長は「『上越』では印象が弱いと考えているようだ」と話す。
一方、木浦市長は六月の記者会見で「旧高田市と旧直江津市が対等合併し誕生した『上越』は、03年の調査で約5割の市民が支持した」と強調。一方で、駅開業一年前までに市民の意見をまとめる方針を示した。
新幹線の駅名をめぐる議論としては、青森県七戸町と十和田市などの間で論争が続く10年開業予定の東北新幹線七戸駅(仮称)や、九州新幹線開業時に地元の駅名選定委員会の決定をもとに、西鹿児島駅を鹿児島中央駅に改称した例がある。
かつて上越新幹線を走っていた「あさひ」は、長野新幹線開業で誕生し同じホームで発着した「あさま」と間違えて乗車する客が相次いだため「とき」に変更した。
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