(2008年11月17日 中日新聞)
岐阜県恵那市の第3セクター・明知鉄道の東野(ひがしの)駅で、高齢者福祉施設の建設が進んでいる。施設内には駅待合室も設けられ、同鉄道は「高齢者施設と駅とのドッキングは全国初では」。利用客増を狙い、12月25日には11番目の新駅も開設。全国の多くの3セク鉄道が赤字に苦しむ中、同鉄道もあの手この手で収入アップ策に取り組んでいる。
高齢者福祉施設は、無人駅である東野駅の駐車場用地を転用して建設。恵那市内の医療法人恵雄会と契約を結び、同鉄道には賃貸料が入る。
施設は鉄骨造り3階建て、延べ1300平方メートル余。1階に駅待合室のほか通所や宿泊用の「小規模多機能居宅介護施設」を設置。2、3階は高齢者専用賃貸住宅(全25室)が設けられる。
同鉄道は現在、恵那駅と阿木駅の施設を歯科医院に、山岡駅事務室を地元のそろばん塾に貸している。寒天やキノコなど沿線の味を味わう「グルメ列車」も人気を集めており、今井祥一朗専務は「地域に密着しながら収入を増やす方策を探りたい」と話す。
年末に飯羽間−岩村駅間に設ける新駅は簡易な仕様とし、建設費は2000万円余に抑制。「極楽駅」との名称は近くにあった寺などにちなんで名付けられた。記念切符を発売するが、「『極楽』との駅名は他にないだけに、鉄道ファンの人気を集めるかも」(同鉄道)と期待。恵那−東野駅間でも新駅の開設を計画中だ。
◆黒字わずか5社、乗客減など深刻 全国36社
全国36社の3セク鉄道が加盟する「第3セクター鉄道等協議会」(東京)がまとめた2007年度の経営状況によると、赤字は31社で、黒字は5社。乗降客の減少に加え、軽油など燃料費の高騰が各社の経営を圧迫している。
中部地方では明知鉄道をはじめ樽見鉄道(岐阜県)、長良川鉄道(同)、信楽高原鉄道(滋賀県)、天竜浜名湖鉄道(静岡県)が赤字。黒字は愛知環状鉄道(愛知県)と伊勢鉄道(三重県)。
明知鉄道は「乗って残そう」を合言葉に乗降客数のアップに取り組んでいる。
07年度は輸送人員、旅客収入とも前年度を上回り、同社は「若干の明るさが見えてきた状況」としている。
日本総研地域経営戦略グループの小長井主任研究員によると、黒字はJRと接続して利益が上がる路線などで、大部分はもともと旧国鉄の赤字路線を引き継いでいる。「商店街に直結する形で新駅を造った鉄道もあるが、高齢者施設は初めて聞いた」とした上で「利用客増加には3セクの会社だけではなく、地域の観光資源や自治体と連携して面的に広がる取り組みが必要」と話している。
【明知鉄道】 旧国鉄の明知線を引き継ぎ、1985年に開業した第3セクター会社が運営する。社長は恵那市長。路線延長は恵那−明智間の25・1キロ。3セクに移行後に飯沼駅と野志駅を開業し、恵那市に8駅、中津川市に2駅がある。恵那、明智、岩村駅以外は無人駅。
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新駅設置よりも、キハ75系の快速運転と名古屋への直通運転と最低でも30分毎の運転が必要だ。