(2008年5月14日 信濃毎日新聞)
しなの鉄道(上田市)が3月のダイヤ改正で小諸から長野方面への終電を約30分早めたため、利用客から不満の声が上がっている。最終の長野新幹線と上田で接続しなくなったため、東京から長野方面へ帰るサラリーマンらには特に不評だ。上田では飲食店の営業にも影響が出ている様子だが、同社は「コスト面からも接続は難しい」としている。
ダイヤ改正では1日の運行本数を変えずに午後8時以降の列車の間隔を従来より10分前後縮めた。約30分ごとに走らせて利便性の向上を狙ったものだが、この結果、長野方面への終電は約30分早い小諸22時55分発となり、23時16分に着く上田駅で新幹線「あさま」の下り最終列車(東京22時4分発)と接続できなくなった。
週1回、日帰りで東京に出張している坂城町の会社員男性(48)は、最終1本前の東京21時28分発の新幹線で帰るようになった。「商談を終えて取引先と一杯やりに行く際、あと30分ゆっくりできるかどうかは信頼関係を築く上で大きな違いですね」
都内で就職試験の面接を終えて帰る長野市川中島町の男子大学院生(26)も、上田駅でしなの鉄道の終電を待ちながら「東京が急に遠くなったと感じる」と話す。「面接の後、もう少し都内でゆっくりしたかったけれど…」
上田市内の繁華街や上田駅周辺の居酒屋でも「客足に影響が出ている」との声が上がる。スナック経営の女性によると、午後10時過ぎから次の店に行かない人が増えているといい、「結構影響あります。なぜ繰り上がっちゃったのかしら」。居酒屋の店員も「10時以降のお客さんは10人ほど減っている感じ。ダイヤの影響もあるのでは」と受け止める。
しなの鉄道によると、下りの終電を早めたのは、JRのダイヤ改正で「あさま」の下り最終列車の上田着が5分遅くなったことも影響しているという。「あさま」に合わせて運行を遅らせると、終電後に行う線路や駅舎、架線の管理作業の開始が遅れ、始発までに終えるには現在の人員では足りなくなるという。
沿線自治体にも「利便性維持のため、ダイヤの改善を要望したい」(近藤清一郎・千曲市長)との声があるが、同社経営企画課は「苦渋の決断だったが、コスト面から仕方ない」としている。
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